横浜税関が泰星コインに感謝状 偽造コイン密輸の水際対策にプロの目

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泰星コイン株式会社はこのたび、海外から日本に持ち込まれるコインの真贋鑑定への協力に対し、横浜税関より感謝状を受領しました。偽造コインの流通防止に向けた水際対策の一端を担う取り組みとして評価されたものです。
本記事では、その背景にある偽造コイン流通の現状と、専門家の視点から見た注意点を、フリーライター・藤田克宏氏の取材・構成により紹介します。
税関の真贋鑑定をサポート
昨年末、世界各国の造幣局の正規販売代理店を務める泰星コイン株式会社に対し、横浜税関から感謝状と記念品が贈られた。海外から日本に持ち込まれるコインの真贋鑑定に協力し、偽造コインの流通防止に大きく貢献したことが評価されたものだ。背景には、近年急増している偽造コインの密輸問題がある。
横浜税関より感謝状を受け取る泰星コインの佐々木伸淳社長(左)

税関が信頼する“ヌミスマティスト”の知見
税関によれば、申請をせずに日本に持ち込もうとするコインが水際で押収されるケースが少なくない。一般の人が見れば本物と区別がつかないようなものでも、ヌミスマティスト(貨幣専門家)の目には素材や刻印、仕上げの違いなどから、すぐに偽物と判別できるケースが多いという。こうした偽物は密輸入された後、インターネット上のオークションやフリマアプリなどで安価に取引きされることが増えており、コイン収集家や一般の購入者に被害が広がる恐れが指摘されている。
こうした状況を受け、横浜税関ではコインの確かな真贋鑑定を行える専門家を探していた。その過程で白羽の矢が立ったのが、泰星コインである。同社が多くの国々の造幣局から信頼を得る正規販売代理店であることに加え、専門的な知識と豊富な取扱実績が評価され、約1年前から定期的に税関の鑑定の依頼を受け、対応するようになった。そのうち税関同士の情報共有やクチコミを通じて、全国の税関から問い合わせが同社に寄せられるようになり、現在では門司税関、大阪税関、名古屋税関などからも鑑定依頼が届くという。
一度に100点超の鑑定も。頻発する“偽物”コイン
泰星コインでは「コイン収集を通じて豊かな社会づくりに貢献する」という企業理念を掲げている。その理念のもと、同社の税関への協力は無償で行われている。「日本に持ち込まれている偽物の多さを知り、少しでも流通を防ぐことにつながるのであれば」との思いから、税関の要請に応じているとのことだ。
鑑定の作業は、関税法違反で押収されたコインの資料を確認することから始まる。そのうえで、コインが真正品かどうかを判断し、もし偽造品だった場合には素材や刻印などの相違点を詳細に記載した回答書を作成し税関へ送付する。専門知識と経験を必要とする、地道で責任の重い作業だ。同社に持ち込まれる鑑定依頼は、コレクターにとって魅力的な世界各国のメジャーコインをはじめ、人気コインも多く、ありとあらゆるものが来る。なかには、真贋を保証するはずの鑑定会社の「スラブ(プラスチックケース)」入の偽造されたコインもあるという。ときには鑑定依頼が集中し、一度に100アイテムほどの依頼が来ることもある。
鑑定を担当する同社ヌミスマティストの田中博取締役は、現状に強い危機感を募らせている。「偽物を販売することは、コイン業者として絶対にあってはならないことです」。泰星コインは日本貨幣商協同組合に所属する一員としても、偽物の流通を少しでも防ぐことが業界全体の信頼を守ることにつながると考えている。
コインの真贋鑑定に定評のある田中博取締役ヌミスマティスト
ネットの「格安品」には十分な注意を
昨今、金・銀の価格高騰に伴い、コイン市場も活発化している。しかし、その一方で現在、日本に流入している偽造コインの数は正確に把握できないほど多いといわれ、”相場よりも安い価格で販売されているコイン“には注意が必要だという。
田中取締役は「安いからといってすぐに購入するのではなく、まず、“価格がおかしいのではないか”と疑い、相場に気をつける視点を持ってほしい」と呼びかける。偽物が市場に蔓延することの最大の弊害は、コレクターの心理的冷え込みだ。「購入したのに偽物を掴まされてしまい、“コインは偽物が多いから怖い”“二度とコインは買いたくない”などと思われ、一般のお客様がコイン収集から離れてしまうのは避けたい」と田中取締役。泰星コインは今後も、各国造幣局の正規販売代理店としての責任を持ち、可能な限り税関の真贋鑑定に協力を続けていく方針だ。
インターネット上では、いまこの瞬間も多くの偽物が流通している。そうした状況下においては「安さだけで判断せず、信頼できる販売店を見つけることが大切」と、田中取締役は警鐘を鳴らす。趣味としてのコイン収集を守るためにも、税関と泰星コインの連携による水際対策は今後ますます重要になりそうだ。
(文責:ライター藤田克宏)

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