戴冠式記念~国王チャールズ3世の歩みを振り返る~ | 泰星コイン<創業1967年>

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戴冠式記念~国王チャールズ3世の歩みを振り返る~

2023年05月01日
 

目次

英国70年振りの戴冠式を祝して

 

英国の国王チャールズ3 世の戴冠式がいよいよ2023 年5 月6 日(現地時間)に行われます。本記事では、新国王の晴れやかな門出を祝し、これまで歩んでこられた75 年の半生、および皇太子時代に重ねてこられた数々の功績を振り返りながら、過去に発行されたチャールズ3 世にまつわる記念コインの数々をご紹介します。

歴代最長の皇太子を経て新国王へ

◆英国王位継承者として初めて大学の学位を取得

チャールズ3 世は、1948 年11 月14 日、イングランドにて、エリザベス2 世とエディンバラ公爵フィリップ王配の長男として誕生しました。フルネームはチャールズ・フィリップ・アーサー・ジョージ(Charles Philip Arthur George)。エリザベス2 世の父ジョージ6 世の初孫であったことから、祖父の勅令により、英国王室の慣例を破って“ 女系” 子孫ながら王子と認められ、祖父の死と母の即位に伴い、4 歳で王位継承順位1 位となり、9 歳で皇太子になりました。兄妹は、妹アン王女、弟アンドルー王子とエドワード王子。現在の妻はカミラ王妃ですが、前妻ダイアナ妃との間には二人の子、ウィリアム皇太子とハリー王子がいます。現在は彼らの5 人の子どもたちの祖父でもあります。
父フィリップ王配がギリシャとデンマークの王子でもあったことから、将来の国王になるため幼少時から厳しい教育を受け、父と同じスコットランドの名門寄宿学校ゴードンストウン校に入学しました。階級が違う子どもたちのなかで孤独に過ごし、その後ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジや、ウェールズ大学で学び、英国王位継承者として初めて大学の学位を取得。また、王室の慣例として英国海軍、空軍にも入隊し、様々な任務を果たしています。1969 年、10 歳で称号を得たウェールズ公の叙任式が行われ、1970 年には英国議会上院の貴族院議員も経験。国内の貧困問題や環境問題にも関心を持ち、「ザ・プリンス・トラスト」という慈善団体を立ち上げたり、所有地で有機栽培に取り組んだりするなど、幅広い活動を続けてきました。

 

◆ダイアナとの結婚、カミラとの再婚

1972年、24 歳のチャールズはカミラ・ローズマリー・シャンドと出会い、次第に深く愛するようになります。皇太子という立場からプロポーズをためらっているうちに、カミラはもともと付き合っていた社交界の人気者で共通の友人アンドルー・パーカー・ボウルズと結婚。1977 年には、のちに皇太子妃となる伯爵令嬢ダイアナ・フランセス・スペンサーの姉セーラと恋仲になりますが、ほどなくして「もし彼が求婚してきても断るでしょう」とコメントされて失恋し、繊細なチャールズは深く傷ついたといわれます。そうしたなか、幼いころから慕っていた海軍元帥ルイス・マウントバッテンがIRA のテロで亡くなり、悲しむ彼を慰めたのが、まだ10 代のダイアナでした。当時ボウルズ夫人だったカミラにも、急接近したダイアナとの結婚を勧められ、1981 年2 月6 日、ウィンザー城でプロポーズ。このときチャールズは32 歳、ダイアナは19 歳でした。
1981年7月、全世界が祝福するなか、チャールズ自身がすべての準備を担い、盛大な結婚式が執り行われました。そして、1982 年6 月21 日、33 歳でウィリアム王子、1984 年9 月15 日、35 歳でヘンリー王子という二人の息子を授かります。チャールズは王室の慣例を破って病院の分娩室で出産に立ち会い、周囲の反対を押し切る形でダイアナ元妃の願いに応え、公務を減らして子育てにあてました。そのような姿勢が父エディンバラ公フィリップの不興を買って板挟みとなったこともあり、チャールズはケンジントン宮殿にほとんど帰らず、次第にコーンウォール公領のハイグローヴ邸で過ごすようになっていきます。その頃、婚約以来途切れていたカミラとの関係が復活することになりました。
1996年、長期別居を経て47 歳でダイアナ元妃と離婚。その翌年、ダイアナ元妃が不慮の死を遂げ、カミラともしばらく距離を置くことになりましたが、時間をかけて少しずつ息子たちや王室に、彼女の存在を認めてもらえるよう努力を続け、2005 年に56 歳でカミラと再婚しました。

 

◆新国王チャールズ3世の誕生

英国国王はイングランド国教会の首長も務めるため、離婚経験者であるカミラとの結婚は本来認められません。そのため、“ スキップ・チャールズ”として、当時、女王エリザベス2 世の長男チャールズではなく、孫ウィリアムが継ぐべきとの世論もありましたが、カミラとともに活発に公務に取り組みながら、ほかの宗教や人種に寛容さを見せることで、サステナブルかつエシカルなファッションを好むリベラルな側面を評価する向きも徐々に広まっていきます。しかし一方では、疑似科学や代替医療を積極的に支持する姿勢が、多くの批判を浴びたこともあります。
2022年9月8日(現地時間)、スコットランドのバルモラル城において、母である女王エリザベス2世が崩御。これを受け、9 月10 日(現地時間)、ロンドンのセント・ジェームズ宮殿で行われた即位式で、チャールズ3 世が正式に国王となりました。
新国王の戴冠式は、2023 年5 月6 日(現地時間)に行われる予定です。ウェストミンスター寺院で行われる式において、カミラ王妃とともにチャールズ国王が戴冠されることになります。世界や社会の情勢を踏まえて、1953 年に執り行われたエリザベス女王の戴冠式に比べ、招待客の数や式の時間などが縮小されるともいわれています。また、この日はハリー王子の長男、国王の孫にあたるアーチーの誕生日にもあたり、「王子」の称号を巡る問題に、国王がどのような決断を下すのか注目されています。

コインで振り返るチャールズ3世

ここで、過去に発行されたチャールズ3 世(皇太子時代)の肖像が描かれたコインの数々を振り返ってみましょう。

 

 

1981年ご成婚記念 (すべて泰星マンスリー1981年7月号掲載)


 

●英国発行

故・ダイアナ妃とのご成婚記念クラウン貨。裏面はフィリップ・ネイサンによるデザイン。

 

●フィジー発行

チャールズ皇太子の肖像は、マイケル・リッツェロのデザインに基づき、キャンベラ造幣局の主任彫板者、H・ハーンが仕上げ。

 

●西サモア発行

故・ダイアナ妃とともに並んだ肖像は、オーストラリアのE・W・ロバーツのデザイン。

 

 

 

1998年生誕50周年 (泰星マンスリー1998年4月号掲載)


 

●英国発行
著名な肖像画家であるマイケル・ノークスによるデザイン。若者を支援する責務について述べている言葉を背景に刻印。

 

 

 

2008年生誕60周年 (泰星マンスリー2011年12月号掲載)


 

●英国発行

本コインのために特別に準備されたチャールズ皇太子の肖像は、イアン・ランクブロードリーによるデザイン。

 

 

 

2008年生誕60周年 (泰星マンスリー2008年11月号掲載)


 

●オールダニー発行

英国王立造幣局鋳造。還暦を迎え自信に満ちたチャールズ皇太子が杖に手をやり、腕を休ませ、田舎を見渡す肖像。農業と自然への関心も表現。

 

 

 

2008年生誕60周年 (泰星マンスリー2008年8月号掲載)


 

●オーストラリア発行

皇太子の肖像とプリンス・オブ・ウェールズの公式紋章をカラーで描いた、温かみのあるデザイン。

 

 

 

2011年英国王位継承シリーズ (泰星マンスリー2011年12月号掲載)


 

●カナダ発行

チャールズ皇太子の肖像を、古代のメダルに用いられていたウルトラ・ハイレリーフ仕上げによって刻印。

 

 

 

2018年生誕70周年 (泰星マンスリー2018年12月号掲載)


 

●英国発行

70 歳の誕生日を迎えたウェールズ公チャールズの新しい肖像を手掛けたのは、彫刻家ロバート・エルダートン。

 

いよいよ戴冠式。その全貌はいかに。

5月6日に行われる戴冠式。ついに迫ってきた英国の歴史に刻まれる世紀のイベントについて、現時点(3月24日)で判明している様々な情報や話題をここにまとめてご紹介します。

 

◆戴冠式の公式エンブレム

 

国王チャールズ3 世が戴冠されることを記念して公式エンブレムが制作されました。国王の自然界への愛に敬意を表し、英国の四つの国の国花(イングランドのバラ、スコットランドのあざみ、ウェールズのにら、北アイルランドの亜麻)を用いてデザイン。これらの形を組み合わせて、聖エドワードの冠が表現されています。

 

◆戴冠式の内容

 

英国にとって70 年振りの戴冠式は、ロンドンのウェストミンスター寺院にて、カンタベリー大司教によって執り行われます。式中、カミラ王妃とともにチャールズ3 世が戴冠されることになります。戴冠式は過去900 年にわたり、ウェストミンスター寺院で歴代のカンタベリー大司教によって執り行われており、今回は前国王のエリザベス2 世の戴冠式が行われた1953 年6 月2 日以来の式典となります。

 

バッキンガム宮殿の声明によると、「1000 年以上に渡り同様の形式で行われており、今回も核となる要素は変わらない」とのことですが、今回は「今日の君主の役割を反映し、未来に目を向けたものになる」そうです。儀式としては、チャールズ国王が戴冠式の宣誓を行い、聖油で清められ、宝珠と杖を受け取り、カンタベリー大司教の手で頭に聖エドワード王冠を置かれる流れとなり、エリザベス2 世のときとほぼ同じです。聖油は戴冠式のためにエルサレムで特別に作られたもので、エリザベス2 世の戴冠式で使った聖油をベースに、数百年前から使われている処方が採用されています。

 

チャールズ国王とカミラ王妃は、バッキンガム宮殿から車列を組んでウェストミンスター寺院へ。式後は、ほかのロイヤルメンバーとともに、より大規模な車列でバッキンガム宮殿に戻り、バッキンガム宮殿のバルコニーに揃って登場して1 日の儀式を締めくくります。

 

なお、当日カミラ王妃はメアリー王妃の冠を被ることが決まっていますが、戴冠式にあたり王妃の冠に既存のものを使用するのは、1727 年のジョージ2 世の戴冠式以来、初めてのことです。また、エリザベス女王がブローチとして愛用していたダイヤモンドを配することで、女王への敬意を表すとみられています。戴冠式のために既存の王冠を再加工することも、おそらく初めてのことです。

 

◆規模は縮小

 

戴冠式は、1953 年に行われたエリザベス2 世のときに比べ、費用を抑えた小規模なものになるとされています。前女王の戴冠式には、当時総額157 万ポンド(現在に換算すれば75 億円以上)に相当する費用がかかっていましたが、生活費の高騰に苦しむ国民感情に配慮した形になります。さらにエリザベス2 世の戴冠式は火曜日、昨年の国葬は月曜日で両日とも祝日扱いとなりましたが、今回の戴冠式は土曜日に行われます。式典時間もエリザベス2 世のときは3時間に及びましたが、国王の年齢にも配慮しそれよりも短くなる見込み。招待客については、エリザベス2 世のときの約8000 人に対し、今回は2000 人程度になるとされています。国民の民族的多様性を反映させるべく、様々なコミュニティや信仰の代表者たちが列席するとみられています。

 

◆日本政府へも招待状

 

英国政府から日本政府に対し、戴冠式に国家元首、またはそれに相当する者を招待するという内容の通知が届いていることが明らかにされました。日本からは秋篠宮ご夫妻が参列される方向で調整が進められています。皇室と英国王室には長年にわたる交流があります。昭和28 年(1953 年)に行われたエリザベス2 世の戴冠式には、昭和天皇の名代として上皇さまがご参列。逆に日本の上皇さまと天皇陛下の「即位礼正殿(せいでん)の儀」には、当時皇太子だったチャールズ国王が参列されています。

 

◆翌日にはコンサート開催

 

戴冠式翌日の5 月7 日、ウィンザー城では、大規模な記念コンサートを開催。BBC(英国放送協会)の各プラット
フォームにて生中継されることになっています。

戴冠式関連のイベントスケジュール

*5月6日 戴冠式
*5月7日 戴冠記念コンサート
*5月8日 戴冠記念に伴う特別なバンクホリデー(祝日)

 

この日、戴冠祝典の一環として、チャリティイベント「ビッグ・ヘルプ・アウト」が開催され、英国全土のボランティア団体とともに王室メンバーも参加して様々な活動に取り組みます。

 

*5月6~8日 「ビッグ・ランチ」(戴冠式のストリートパーティー)
戴冠を祝う特別な3 日間を盛り上げるべく、英国王室のホームページでは子ども向けのゲームや塗り絵、ビッグ・ランチにお勧めのレシピやBGM 等が公開されています。また、特設サイトではビッグ・ランチに役立つ情報を集めた「戴冠記念ビッグ・ランチ・パック」のほか、自分が企画・参加するパーティーを登録すれば、マップに掲載してくれるサービスも提供されます。

 

※本記事は2023年4月上旬時点の情報をもとに記載しています。実際の戴冠式の内容に変更がある場合がありますので、予めご了承ください。

 

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著者 Author
yama
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