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記念コインに付いている「発行証明書」には何が書いてあるの?

2021年04月30日
 

目次

発行証明書とは

入手した記念コインに付いている「発行証明書」。

 

各国の造幣局により名称がそれぞれ異なりますが、一般的に「Certificate of Authenticity」と呼ばれており、
記念コインの詳細情報やシリアル番号などが記載されています。

 

日本では、「発行証明書」のほか、「保証書」と呼ばれることもあります。

 

今回は、英国王立造幣局の発行証明書を例にとり、何が書いてあるのかを解説していきたいと思います。

よく見かける用語をご紹介!

記念コイン発行証明書

記念コイン発行証明書

 

記念コインの発行証明書には、コインに関する詳細が記載されています。

 

Denomination …額面

 

額面の事で、日本でいうところの“10円”や“100円”を指します。発行国の法律により記念コインを発行する際には、通常の通貨と同様に決定する必要があります。国によっては「Face Value」と表記する場合もあります。


Alloy/Metal/Composition …材質

 

「材質」と言う意味で周期表に乗っている元素記号を利用します。「Au=金」で「Ag=銀」になります。 

「.999(0.999)」又は「99.9%」と言うのは金属の純度を示しています。全量の1000分の1を単位として表す千分率を利用します。例えば、0.999と表記されているものは残り 0.1 パーセント、.925の場合は残り 7.5 パーセントが他の素材が含まれているという意味です。

 

Mintage …発行枚数

 

国が決めた「コインの発行枚数」及び「発行限度数」を記載しています。最初に「発行限度数」を決めて鋳造することで、発行国は法律上、それ以上の枚数を鋳造することができないため、少ないコインの方が希少価値が高まります。クラウス社が販売している「世界コイン標準カタログ」などのコインカタログには、発行限度数が100枚なのに対し、実際に市場に出回ったのは50枚だけだった場合、その実際に「鋳造された枚数」が記載されていることがあります。後から発行証明書と見比べてみるのも面白いかもしれません。

 

Weight …重量


Diameter …直径/寸法

 

Obverse、Reverse …とは?

 

コインのデザインには表面と裏面が存在します。「表面=Obverse」には、その国の国章や国を象徴する図柄、国王の肖像など、共通する図柄を採用することが多いです。「裏面=Reverse」には、額面ごとの図柄や、特別に記念するテーマなどの図柄が刻印されています。表裏の図柄のパターンが反対の国も存在します。

最後は、コイン業界独特の用語である「状態(Quality)」について掘り下げていきます!

最高品質の「プルーフ」

Quality」は鋳造方法の基準を示しています。コインの“仕上り”と考えれば良いかもしれません。

 

鋳造されたコインの仕上がりは大きく分けて2つ存在します。一般的には「Uncirculated(未使用)」と「Proof(プルーフ)」です。

 

「プルーフ」は鏡面仕上げといわれる場合もあります。その所以は、コインがまるで鏡のように磨き上げられており、平面部分を覗き込むと自分が映り込んで見えるほど、大変美しく仕上げられているからです。

 

この他に、造幣局によって「Antique(アンティーク)」、「Matte Proof(艶消しプルーフ)」、「Reverse Proof(リバースプルーフ)」、「Specimen(スペシメン)」と呼ばれる仕上げも存在しています。

 

ここで、ソブリン金貨の「状態」の違いを見てみましょう。


Uncirculated 未使用 表面の輝きは鋳造時の状態を保ち、摩擦がありません。ですが、鋳造時の運搬時のスリキズや当たりキズが僅かにあります。
Proof プルーフ 鏡面仕上げの意味。コイン表面が鏡状になっています。

 

いかがですか?

 

このように、「プルーフ」と「未使用」の違いはわかりやすいのですが、「未使用」には「Uncirculated」「Brilliant Uncirculated」など、少し複雑なパターンが存在しています。

見分けるのが難しい「未使用」

例えば未使用に関しては、銀行で両替した100円硬貨(通貨)のロールなどは鋳造後の真新しい状態ですので「Uncirculated(未使用)」になります。

ところが、造幣局はコイン収集家に向けて「未使用」にさらに手間をかけて磨いた「Brilliant Uncirculated(未使用)」も発行しています。

先程ご紹介した「プルーフ」仕上げは、高品質に仕上げるために特殊な金型を利用して、「未使用」よりも、もっとゆっくり鋳造(ストライク)します。「プルーフ」に至っては2回以上ストライクします。金型は10003000枚を上限として継続して使用し、途中でダイヤモンドを含むパウダーを利用して金型の表面をなめらかにするために綺麗に磨きます。金型の使用回数に達した場合、新しい金型を作りなおします。

「Proof(プルーフ)」は、「Brilliant Uncirculated(未使用)」よりも、さらにたくさんの手間がかかっているんですね。

鏡面のような「Proof(プルーフ)」、収集家向けコインの「Brilliant Uncirculated(未使用)」、両替直後の硬貨は「Uncirculated(未使用)」。最初のうちは少々混乱してしまいますが、見分ける事が出来るようになったら…

貴方は立派なコインコレクターといえるでしょう!

※「発行証明書」や「プルーフvs未使用」画像は英国王立造幣局から許可を得て使用しています。

著者 Author
yama
趣味はメダカの飼育とキノコグッズ集め
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