日本の記念コイン誕生物語Tweet
日本初の記念コイン!
昭和39年(1964年)に開催された第18回オリンピック東京大会(会期:10月10日~10月24日)を記念して
100
円と1000円の銀貨が発行されました。
これが
実に、日本で最初の「記念コイン」でした。
1000円銀貨
重量:20.00g/品位:.925/直径:35mm/発行数:1500万枚
100円銀貨
重量:4.80g/品位:.600/直径:22.50mm/発行数:8000万枚
日本のお金には、大判や小判、中央に穴が空いている古銭の“穴銭”、
龍が描かれ人気の高い“円銀(一円銀貨)”など、
様々なものが古くから存在しますが、「記念コイン」として誕生したのは、
東京オリンピック銀貨が日本初となりました。
金融機関の窓口での両替という形式で交付され、
1000円銀貨の引き換え当日(昭和39年10月2日)には、
大行列が発生。
列に割り込人が出て喧嘩が発生するなど、警察が出動するほどのパニックとなり、たちまち品切れとなったのでした。
これを契機に日本国内での「記念貨幣収集ブーム」が起こり、
「大阪万博記念コイン」「札幌オリンピック記念コイン」も発行され、今に至るのでした。
オリンピック記念コインの誕生秘話
オリンピック記念コインの誕生は、1952年にさかのぼります。ここに至るまでには紆余曲折がありました。
実は東京オリンピックの開催は、1940年に決まっていたのですが、
日中戦争の影響で中止が決まり、
東京の次点であったフィンランドのヘルシンキが予定されました。
ところが、第二次世界大戦の勃発によって、こちらも中止に。
結局1940年は、オリンピックが開催できなかった年となったのでした。
そして大戦後の1952年、フィンランドは戦後の復興を成し遂げた記念という意義も込めて、
「第15回 ヘルシンキオリンピック」を開催。
同時に、世界で最初となるオリンピック開催記念硬貨
「ヘルシンキ大会記念500マルッカ銀貨」を発行したのでした。
ヘルシンキ大会記念500マルッカ銀貨
重量:12.00g/品位:.500/直径32.00mm
発行数:1万9000枚(1951年)、58万6000枚(1952年)
1964年には日本で東京オリンピックの記念銀貨が発行され、空前の大人気に。
発行による収益は大会運営費に充てられました。この成功がきっかけとなり、
その後のメキシコオリンピック(1968年)でも記念銀貨が大量に発行されました。
以降、オリンピックの開催ごとに記念貨幣が発行され
その収益が大会運営費に充てられる、ということが定着化しました。
この歴史がなければ、オリンピックの記念コインは誕生していなかったのかもしれませんね。
デザインってどうやって決まったの?
1964年東京オリンピックの100円記念硬貨のデザインは一般公募され、
3万512点もの応募が集まり、当時20歳で、8人の入選者中ただ一人デザイン経験のない素人だった前島昌子さんによる、
聖火やオリンピックシンボルマークをデザインに取り入れた図案が選ばれました。
また、1000円銀貨のデザインは、造幣局の工芸官が手がけ、富士山と桜をモチーフにしたものとなっています。
2020年東京オリンピック/パラリンピックの記念コインは…
~引継ぎがテーマのハンドオーバーコイン~
いよいよ4年後に迫った、2020年東京オリンピック/パラリンピック。
記念コイン発行プログラムについても明らかになってきました。
2016年9月には、近年発行されるようになった
「ハンドオーバー(開催都市の引継をテーマとする)コイン」の詳細が公開されました。
なんと日本初となる、両面カラーのコインとなっており、高い注目を集めそうです。
図柄は、オリンピック銀貨の表面には「オリンピック旗と桜とイペー・アマレーロ」、
裏面には「東京2020オリンピック競技大会エンブレム」が、
パラリンピック銀貨の表面には「パラリンピック旗と桜とイペー・アマレーロ」、
裏面には「東京2020パラリンピック競技大会エンブレム」が、それぞれデザインされています。
~待望の開催記念貨幣 第1次発行分~
いよいよ来年に迫った東京オリンピック・パラリンピック。
待望の開催記念貨幣の第1次は、10000円金貨1種、1000円カラー銀貨2種類を発行します。
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これから順次発行される2020年東京オリンピック/パラリンピック記念コインはどのような図柄になるのか、今から楽しみですね。
おしまい