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第三回『世界の歴史的金貨〜クロイソスからエリザベス2世まで〜』
著者:バートン・ホブソン
今回は『世界の歴史的金貨〜クロイソスからエリザベス2世まで〜』をご紹介したいと思います。
著者はバートン・ホブソン。アメリカのイリノイ州に生まれ、大学生の頃からコインに熱中しました。コインに関する著著も『 コイン収集入門』
『 趣味としてのコイン収集』 『 スカンジナビア・コインのカタログ』 など多数出版しています。日本語翻訳は弊社の『泰星コイン・マンスリー』の編集を担当していた安部英夫です。
一番最初に作られた金貨はどこでつくられたのだろう?
そんなこと考えたこともありませんでした。
それは今トルコの一部となっているリディア王国で作られました。しかも、紀元前(!)650年頃というからなんともびっくりです。
日本の最初のお金といえば皆さんご存知の和同開珎です。その和同開珎でさえ西暦708年です。金貨となると開基勝寶(かいきしょうほう)で西暦760年です。その約1300年も前に他の国では金貨があったとは想像もしませんでした。 |
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一番最初の金貨ってどんなものなのだろう?
最初の金貨はリディア王国をアルデュス王が治めていたとき造られました。その形はソラマメのような形をしていました。(日本で言うと、豆板銀のような形)そして紀元前600年頃アリュアッテス王のときの金貨にはライオンが描かれています。なぜライオンなのかというと当時、ライオンは王室のしるしであり、王権の象徴であったからです。ライオンの図柄でも高額は顔から首までの図、小額は足だけの図と区別があったそうです。
当時のコインはどうやって作っていたのだろう?
本当に全て手作りなのかなと信じられない位細かい模様が施されています。では一体どのようにして作っていたかというと、まず、ハンマーで金属を叩いて薄く伸ばします。それをはさみで正方形に切ってその四隅を切り落とします。そうして出来た8角形をやすりで削って円形にするそうです。さらに一枚一枚重さを図って重すぎるとまた削り、重さが足りない場合は溶解してしまうのです。こんなに気の遠くなるような作業を繰り返してコインを造っていたのかと思うと当時の人達を心から尊敬してしまいますよね。
また、機械生産のコインと比べるとなんともいえない手作りの味があって私は好きですね。温かみを感じるというか。
偶然にも紀元前400年位のコインが手元にあるのですが千年以上の時を経てもまだ輝いているのです。存在しているだけでもすごいですよね。それなのに今もなお輝きを放ち続ける金貨の不思議な魅力にとりこになってしまう方も多いのではないでしょうか。
古いコインになればなるほど現存数も少なく、値段も高額になってしまうので入手することはなかなか難しいかもしれません。運よく入手することが出来た方には大事にしていただいて子孫へと受け継いで欲しいものです。
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図柄の意味はなんだろう?
金貨も銀貨も図柄にはそれぞれの意味が込められています。何気なく手にするコインもその意味を探っていくと実に興味深いものがあります。
ここに一枚のコインがあります。人がひざまずいて天使から何かを受け取っていますがこれは一体???実はこれはベネツィアの守護聖人である聖マルコの前にベネツィアの首長のジョヴァンニ・ダンドロがひざまずき、ゴンファローネと呼ばれる旗を受け取っている姿が描かれているのです。裏にはキリストの立像とその周りには星がちりばめられています。そしてラテン語のSIT TIBI CHRISTE DATVS QVEM TV REGIS ISTEDVCATVS(おお、主よ。主の治めたまうこの国をささげたまえ)の略が刻印されています。
この国は自分のものだといわんばかりのジョバンニ・ダンドロの姿が思い浮かびませんか。権力を誇示する為にコインに自分の姿を描くことは最善の方法かもしれません。この「ベネチア ジョヴァンニ・ダンドロのドゥカート貨」一枚のコインにもこんなストーリーが裏には隠されていたのですね。
こんな風に一枚のコインとじっくりと向き合ってその頃の歴史的背景を調べてみるのもほんとに面白いものだということが分かりました。調べるからこそますますそのコインが愛おしくなる、そういうものですよね。皆さんにもそんな「愛おしい一枚」にぜひ出会ってほしいなぁと思います。 |
ソラマメの形をした金貨から始まり現在へ至る訳ですが、古代からこれまでには様々な金貨が発行されています。今回は特に金貨にスポットを当ててみましたが、もし、お持ちの金貨の歴史に少しでも興味が湧いたならこの『世界の歴史的金貨〜クロイソスからエリザベス2世』をお薦めいたします。この本は当社ショールームで販売もしております。数に限りがございますのでぜひお早めにご注文くださいませ。
担当:若菜 |