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これからコイン収集をはじめようとお考えの方や、収集の方法にちょっと行き詰まってしまった方へ。


第七章 『コインの図柄の素朴な疑問12』


今回も前回に引き続き、ブリタニアコインのご紹介を致します!
ブリタニアコインのご紹介は今回で5回目となります。前号をご覧になりたい方は右上のバックナンバーを見る
からご覧ください。



1797年、英仏(ナポレオン1世)戦争が始まった年、全く新しいブリタニア像が登場しました。デザインは英国海軍の覇権を強調したものでした。岩上に座し、波浪の只中にいるブリタニアの左腕には、それまでの槍ではなく、三叉のほこを擁し、右手は目の高さに伸ばしオリーブの小枝を持っていました。左腕下方には、英国国旗であるユニオン・ジャック(※1)を刻んだ楯を配しています。

このブリタニア像は、1788年に蒸気機関の動力を応用した貨幣鋳造設備を作ったマシュー・ボールトンが、ソー
ホー工場で鋳造した大型銅貨に、コンラッド・キュヒラーがデザインを施したものでした。

しかしこのブリタニア、残念ながら前回ご紹介したクローカーのブリタニアに比べてなんとなく不恰好です。
やや丸く猫背ぎみな姿勢に、少し太すぎる太もも、折角の国旗を刻んだ楯も今にもどこかへ転がっていきそうな
不安定さです。


このデザインが当時不評(?)だったかどうかはさておき、キュヒラーはイングランド銀行の1ドル銀貨にもう
ひとつのブリタニアを作りました。基本的には前出のブリタニア同様ながら、猫背だった姿勢はやや後方に傾き、
三叉のほこのかわりに槍を持ち、転がりそうだった楯も安定した形で配置されました。ブリタニア像自身も、全
体にほっそりとした印象に変わりました。



現在の力強いブリタニア像とは程遠いデザインですが、その要因としてはまだまだふくよかな身体つきと、かぶ
とをかぶっていないところにあるでしょうか。

ところで、初めて登場した時から右手に持っているオリーブの小枝(途中持たないものもあり)、これにはどの
ような意味があるのでしょうか。

旧約聖書のノアの箱舟のお話で、神が起こした大洪水の後、ノアが放った鳩がオリーブの小枝をくわえて帰って
きました。これにより地上に平和が訪れたことを知ったという事から、鳩と同様、オリーブの小枝は「平和の象
徴」となりました。

左手には戦うための武器を、右手には「平和の象徴」をブリタニアに持たせることで、当時の人々は国を守る為、
また拡大するために戦争を繰り返し、いずれは国に平和がもたらされることを望んでいたのかもしれません。

※1)1606年に作られた英国国旗。イングランドの聖ジョージ十字架(銀のフィールドに赤のクロス)、スコッ
トランドの聖アンドリュー十字架(青のフィールドに銀のソールタイア)、アイルランドの聖パトリック十字架
(銀のフィールドに赤のソールタイア)を組み合わせて制定。





<参考:月間マンスリー>

ブリタニアのデザインが現代のものになるまで どんな歴史をたどって来たのでしょうか
まだまだブリタニアコインの歴史をご紹介を致します!

次回のコインワンポイントレッスンは『コインの図柄の素朴な疑問12』 です!




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