前回でも紹介したように、当初国内外向けに発行が計画されたが、不自然にも国外向け限定として発行されました。そのため発行4年間の国外向けミントセットは異常なまでに高騰を来し、国会でも論議され直ちに発行中止となりました。
その注目の4年号のミントをもう少し詳しくご紹介します。
●1969年ミントセット(昭和44年銘) 第1次貨
表紙 白色軟質塩化ビニール製 中央に桐模様
下部に英文四段でMINT BUREAU/MINISTRY OF FINANCE/JAPAN/1969
収納袋 コインの出し入れが可能なポリエチレン袋に通常貨
100円、50円、10円、5円、1円、の5種類
説明書
交付限定10万セット 一人当りの交付数 5セット以内
交付価格1米ドル(送料別)
交付数6162セット
本形式はシンガポールのミントセットを参考にしたといわれるが、コインの出し入れ出来ない密封型形式も試作品として存在します。
急遽、国外向けに限定した事、周知が不充分であった事から、交付数が6162セットに止まったが、不幸なことに数年を経ずして『欠陥商品』(ケースの破損や変色等)であることが露呈してしてしまいました。
現存する1969年ミントセットのほとんどが、白色表紙が膨れ上がったり、波を打ったり変色しているものが多く、発行時の状態を留めているものは僅少です。
1969年ミントセットは日本ミントセット中、群を抜く稀品であるが、特に状態の良いものは入手困難です。
1970年ミントセット(昭和45年銘)第2次貨
表紙 白色軟質塩化ビニール製 中央に桐模様
下部に英文四段でMINT BUREAU/MINISTRY OF FINANCE/JAPAN/1970
収納袋 コインの出し入れが可能なポリエチレン袋に日本万国博覧会
100円白銅貨のほか、通常貨100円、50円、10円、5円、1円の5種類
説明書
交付限度10万セット 一人当りの交付数 5セット以内
交付価格2米ドル(送料別)
交付数 26,000セット
1970年ミントセットは1969年と全く同一の形式で、白色財布型塩化ビニールホルダーの表紙を用い、コインの出し入れ可能なポリエチレン製の内袋にコインをセットしています。
表紙の品質は1969年に比し多少改良されたように見えるますが、相変わらず表紙が押しつぶされた感じのミントセットが多い状態です。
1970年5月にはアメリカ最大のコイン業界紙コインワールドの社主オリバー・エーモス氏が来日、大阪造幣局を訪問し、4回に亘り同誌に大阪造幣局を紹介すると同時に造幣局としてもミントセットの販売広告を行いました。その結果、記念貨幣入りセットだったこともあったが交付数は26,000セットとなりました。
1971年(昭和46年銘)第3次貨
表紙 白色軟質塩化ビニール製 中央に桐模様
下部に英文四段でMINT BUREAU/MINISTRY OF FINANCE/JAPAN/1971
収納袋 コインの出し入れが出来ない密封型ポリエチレン袋に通常貨100円、50円、10円、5円、1円の五種類
説明書
交付限度数 30,000セット
一人当りの交付数 5セット以内
交付価格 1.7米ドル(含送料)
交付数 14,653セット
表紙の軟質塩化ビニールの品質が改良され、コインの保存状態が著しく向上し、発行時の状態に近いセットが市場にあります。また、東京及び大阪国際空港の免税地域でも海外渡航者に限り一人当り5セットまで交付しました。
1972年(昭和47年銘)第4次貨
表紙 白色軟質塩化ビニール製 中央に桐模様
下部に英文四段でMINT BUREAU/MINISTRY OF FINANCE/JAPAN/1972
収納袋 コインの出し入れが出来ない密封型ポリエチレン袋に札幌冬季オリンピック100円白銅貨と通常貨100円、50円、10円、5円、1円の5種類
説明書
交付限度数 30,000セット
一人当りの交付数 5セット以内
交付価格 2.9米ドル(含送料)東京および大阪国際空港免税地域では1.8米ドルで交付
交付数 30,000セット
札幌オリンピック競技100円記念貨白銅貨は昭和47年1月末に発行されましたが、普遍的な人気のあるオリンピック記念貨で発行数量も3000万枚と比較的僅少であったため間もなく相場が沸騰、当時は1000円から1500円見当で取引されていました。札幌冬季オリンピック記念貨入りのミントセットは5月から交付されていましたが、ミントセットがセットに含まれている記念貨より安価に求められるとあって人気は沸騰、市場価格は一時約3万円(交付価格の約50倍以上)を唱える事になりました。
この異常ぶりを野末和彦参議院議員が国会で質問し、『国外向けミントセットの異常なほどの高値で、善良なマニアの人々が迷惑を蒙っていたのを知り、黙っていられなくなって、国内向けも当然出すべきではないかと言ったまで』と述べています。『国外向けミントセットが混乱を引き起こし、国民に迷惑を及ぼしている以上、中止すべきものは一旦中止し、交付の時機方法については改めて考慮する』と愛知大蔵大臣が答弁、国外向けに限定したミントセットの歴史は僅か4年間で幕を閉じる事となりました。 |
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ミントセットがコイン収集の入門、普及版として収集家間に拡大しつつある今日、国外向けに限定され交付数が少なく、散らばってしまった4年号の海外向けミントは注目されています。
次回海外向けミント『国内交付、海外向け再開!』のご紹介を致します。
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