1963年3月、英国ケント州の某町役場に外国人登録をするため、バスで出かけた。下宿で借りた2’6白銅貨(当時126円)を車掌に渡したら、お釣りに数枚のコインを渡された。これが私の貨幣収集の始まりであった。
釣銭には6d白銅、12角厚手の3d黄銅貨と巨大なペニー銅貨が何枚かあった。その後、毎週ロンドン市内に出るうちバスや駅で受け取った釣銭を調べ年号と状態を見て良いものを残した。ある日バスで受け取ったペニー銅貨のうち、丁度百年前のものが一枚あった。
擦り減ってツルツルだが1863年に間違いない。特にこの一枚は記念物として残した。
夏目漱石は1900年から2年ほどロンドンに住んだ。彼がその間手にしたのと同種の貨幣が60年後も流通していたとは驚いた。それで状態は悪いが2’6や2’の大型金貨も集めた。半年ほど後、市内に移った。その頃から日本人のお客さんが増え、私も案内や通訳のお手伝いをした。謝礼を頂いた折は貯めておき時々市中の貴金属店でソヴリン(£1)
半ソヴリン金貨を買った。これらはホームズの探偵小説で昔からお馴染み?のコインである。日本に帰ってからモーンディ・マネーなる小型銀貨セットを取寄せたりして私の英貨コレクションは数だけは多くなった。1971年、英国貨幣は十進法になり伝統は絶たれた。昔イギリス王国の一部であったアイルランド(王国)はユーロ圏に入っている。英国でも既に商品価格にユーロを併記する店などもある由である。英国もユーロ圏に併呑される日がやがて訪れるのではないかと危惧するのは私だけであろうか。
私も今や70代、ささやかな英貨コレクションをどの孫に譲るべきか思案している。
【コメント:泰星コイン 高橋】
ご投稿有難うございます。英国のコインは歴史も古く、日本でも収集家に人気のあるコインです。歴史や小説に関連させながら収集するのも良いですね!コインも長い歴史の中で徐々に姿形を変えていきますので今後どのように変化していくのか寂しいと興味津々との気持ちがありますね。
もともとコインを集めはじめたのは5歳の頃で、中国の青島に父の弟が豊田自動機の工場で役をおおせつかっていた頃で中華民国の貨幣に興味を持ったからでした。大戦中も満州や南方諸国のコインを趣収していました。しかし第二次大戦終結で目にすることができなくなりました。半世紀程前、泰星スタンプコインの社長で大学の教授の岡政道先生からお便りを頂いて再び蒐集を始めました。単に入手だけでなくコインの持つ魅力にとりつかれ
“泰星マンスリー”にも何度と掲載していただきました。内容としては、“南方の島々”
“音楽史”、“飛行機の発達史”、こどもの生活・・・特に愛知県での“IYU”は記事がいくらでもありました。こんなことでコインの数は多くなり記事を書く為の資料のコイン写真は数千枚にとなりました。現在も籍をおいています名古屋博物館のガイドボランティアとしましても愛知の歴史を知るためのコインのスライドを作成し皆様に見ていただくという方法をとっています。とにかく世界を知るため歴史を知るためのコインのすばらしい刻印にはいつも“とりこ”になっています。生のある限り蒐集をし、文字と写真に表現したいと思っています。
【コメント:泰星コイン 高橋】
この度はご投稿有難うございました。コインは世界の歴史や文物を知る材料には
もってこいなアイテムですよね。
長年に渡るご収集有難うございます。
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