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職務特権から得た貴重な財産

それは、今から15年程前に溯る。昭和天皇が、体調をくずされ、
日を増す度毎に悪化し、その状況がテレビ等の臨時ニュースで逐一報道され、国民が、沈痛な毎日を過ごしていた事を思い起こされる。残念ながら側近等の介護もむなしく、昭和天皇は、翌年の始めに崩御なされ、年号も昭和から平成へと改められた頃であった。

私は、当時、地方の小売店の事務の責任者を行っていた。小売業では、前日の売上現金を銀行に預けると同時に、翌日にレジで使用する現金を用立て貰う。(一般には、両替資金と言っており 貨幣は50枚単位に、紙等で丸め棒状にしたもの、:棒金 紙幣は、一万円以外)小規模であった当店は、毎日 百万前後の資金を受取、各レジ毎に振り分ける作業を手作業で行っていた。

そんなある日、スタッフの一人が、急遽休んだ為に慣れない私も、両替資金の作成に駆り出された。
私は、コインに興味を持っていた為に、各レジでお客様から預かった現金の中で、記念貨や旧現行貨幣(使用は出来るが、同額の新しい貨幣が流通している貨幣 たとえば、当時では、稲百円銀貨、鳳凰百円銀貨、大型50円ニッケル貨、穴なし五円黄銅貨等)が回収されたときは、挙って私が両替して、収集品の一部とした。

当日も、黒光りした5円貨幣(一概には言えないが、概ね昭和33年以前に発行された貨幣で、日本国の国が古い漢字"國"を使用している。:楷書体)を探した。価値としては、あまり期待できないが、資金か掛からなかったから、見つかったらすぐに自分の机の中に両替用に取っておいた5円貨幣と交換した。本来であれば、年号で探せれば良いが忙しい中で、そんな事ばかりはしておれない。
いつのまにか、貨幣を手に取ると年号をみる習慣が身についていた私は、その日も何気なく500円の棒金の年号を見た。その瞬間、自分の目を疑った。存在するはずの無い年号が刻印されていた。"昭和64年"である。
厳密にいえば、昭和64年は、一週間程存在した。従って、存在しても不思議ではない。しかし、歴史上は、存在しない年号である。その他の貨幣にも存在しないか探したら、一円貨幣、五円貨幣の棒金が数本見つかった、それらは、小額である為、すぐに、両替した。

問題は、500円の棒金である。棒金をすべて両替すると、25,000円である。当時の二ヶ月の小遣以上の金額である。その為、スタッフにお願いして、その棒金を一時保管して置く様に依頼した。そして、それが私の手元に入ったのは、2ヶ月程後の事である。後日知ったことだか、10円硬貨も発行されたらしいが、残念ながら私の手元には入らなかった。恐らく貨幣は、種類と発行枚数の兼合いから、翌年の年号を当年中に製造を開始する為に起こった事だと思う。

毎日の雑務に翻弄され、"昭和64年"貨幣の収集劇はその時のみであった。

毎日、数百万の現金が右から左へ流れ、現金が唯の"物"として扱われている場で、若し時間に余裕が有ったら貨幣の年号そして紙幣の番号等をじっくり調べて、希少品を選別出来たのにと口惜しい。
しかし、数年間在籍した職場で、職務特権を利用し、趣味の拡大に寄与した事は、紛れも無い事実である。

現在は、ほとんどが機械化され、両替も自動両替機によって、また売上金の処理も機械化され、人の手による作業はほとんど無くなり、私のような経験は、昔の貴重な"噺"と成りつつあるような気かします。
収集した500円硬貨を目にする度毎に、当時の会社の有様、職場の風景、スタッフの面々、街並の風景、私の生活環境等が走馬灯の様に蘇ってきます。

 

2004年3月19日
匿名希望  福島県 50代男性

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